風と雨:台風の前、屋上の家具をどうするか
屋上には、地上より強い風が遮る物なく当たります。軽い家具や日よけを並べるだけでは、強い風で動いたり倒れたりします。素材の重さは良し悪しではなく、アルミやロープは軽く動かしやすい一方で風を受けやすく、ステンレスやチーク、人造石は重く、風で動きにくい素材です。アルミのチェアを屋上に置くなら、重い天板のテーブルと組むと落ち着きます。
台風や強風の前は、軽い家具とクッション、パラソルを屋内へ入れるか、動かないように固定します。そのために、クッションを入れる場所と家具を寄せる壁際は、置く前に決めておきます。目安を超える風による傷みは、置く場所の条件として、お届け後の対応の対象から外れます。
屋上に家具を納めた方から、最初の台風の前に連絡をいただくことがあります。聞かれるのは、どれを中に入れればいいか。クッションとパラソルだけ入れて、重いテーブルは壁際に寄せてください、とお伝えしています
雨は、屋外用の生地と水はけのよい中材なら、屋根の無い屋上でも濡れた後に乾きます。屋根のあるベランダでも雨は吹き込むので、室内用の家具は置きません。梅雨はクッションを屋内へ、冬はカバーを掛けてときどき外します。
屋上に載せられる重さと、家具の重さ
屋上やルーフバルコニーに載せられる重さは、建物ごとに決まっています。法令が屋上に見込む重さは床の計算で1㎡あたり約183kgですが、これは設計のための計算の値で、その建物の上限を示すものではありません。
家具は、湯を張った浴槽のように水の重さを抱える物ではありません。それでも、人が座り、石やセラミックの天板、大きな鉢、置き敷きのタイルやデッキが加わると、床にかかる重さは家具だけの数字を超えていきます。重さは置いた物の底の面に集まるので、大きな物を置くときは、重さと底の寸法を構造の設計者に渡して確かめます。
重さは、風への強さと引き換えでもあります。重い素材は風で動きにくい一方、屋上へ運び上げる家具や、季節ごとに場所を替える家具では、搬入と移動の負担になります。動かさずに使う大きなテーブルは重い素材で、出し入れするチェアは軽い素材で、と役割で分けると両方が立ちます。
防水層を傷めない置き方:脚の下と床の整え方
家具を風から守ろうとして、アンカーやビスで床に留めると、防水層を貫いて雨水の入り口をつくります。屋上とルーフバルコニーでは、床に穴を開けず、置いて据えるのが基本です。
床をつくるなら、置くだけのデッキやタイル、人工芝が広く使われています。デッキが床を覆えば、その下の防水は日差しを受けにくくなります。そのかわり、防水をやり直すときは上の物をすべて外す工事になります。表面のトップコートは5年前後ごとに塗り直すのが目安で、床と家具の計画は、防水の残りの年数と重ねて考えます。
脚の下には当て物を付け、床のこすれを防ぎます。排水口のまわりと水の流れる道には家具を置かず、落ち葉や砂を掃除できる余白を残します。庭のウッドデッキでは、板のすき間に脚が落ちない脚先を選び、雨の後に水が抜ける向きを確かめます。
マンションのバルコニー:管理規約と避難の道
マンションのバルコニーとルーフバルコニーは、国が示すマンション標準管理規約では共用部分で、住む方は専用に使う権利を持ちます。物を置くことや外観を変えることの決まりは、マンションごとの使用細則で定められています。共用部分に手を加えるときは、理事長の書面での承認が要ることもあるので、家具を選ぶ前に規約と細則を読みます。
配置でいちばん先に決めるのは、避難の道です。バルコニーは火事の時の避難の道を兼ねることがあり、隣の住戸との隔て板の近くに物を置くことは禁じられています。床にある避難はしごの口の上と隔て板の前を空け、ソファや鉢はその外に置きます。
細則で決まりの多い物に、火を使う物、床に直接土を入れる植栽、壁や床への取り付けがあります。屋根を建物に取り付けるのは外観の変更にあたり、承認を得にくいことがあります。日よけは、パラソルのように置いて使う物から考えます。
搬入:エレベーターや階段を通らない家具は
家具は、本体より一回り大きい梱包の大きさで運ばれます。玄関と扉、共用の廊下、エレベーターのかごと扉、階段の幅と踊り場、曲がり角を、梱包の大きさに10cmほどの余裕を見て測ります。屋上へは、最後に通る塔屋の扉や細い階段が、経路の中で最も狭くなりがちです。
通らないときは、ベランダや窓からの吊り上げ、クレーンで運ぶ方法を考えます。吊り上げには専門の業者の手配が要り、別に費用がかかる場合があります。搬入できなかった場合も、注文のキャンセルや返品はお受けできないため、測るのは注文の前です。大きなソファは、コーナー・センター・オットマンを組み合わせる形を選ぶと、一つずつ運び上げられます。
階段で上がれない屋上には、朝のうちにクレーンで家具を吊り上げます。下から見上げると、ソファが空を渡っていく。運び終えた屋上で最初に座るのは、たいていそのお宅の方です
ANKER の屋上・バルコニーの家具
ALTANA は、ANKER & ZIMMER のセミオーダーの屋外家具です。24のシリーズからかたちを選び、317色の生地で仕立てます。型によっては、フレームの色も25色から選べます。生地は原液着色の屋外用の糸、クッションは速乾フォーム、フレームはアルミまたは亜鉛めっきスチールで、カバーは注文の際に合わせて作れます。ベース金額はテーブル¥48,000〜、ソファ¥52,100〜(税抜・基本の等級の生地で仕立てた目安)で、納期は3か月前後です。
これまでのコレクションは、色・素材・寸法・生地から選んで仕立てます。奥行きの浅いバルコニーでは、寸法を選べることが効いてきます。搬入と設置の費用は、置く場所・階数・経路で変わるため、ご相談の際にお知らせください。屋上では現地で防水の種類と年数、排水、手すり、搬入の経路を見て、床・囲い・屋根を一体で組む設計にも応じます。南青山の本社の屋上がショールームで、パーゴラの下のテーブルを実物の屋上で確かめられます(完全予約制)。