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屋上庭園のつくり方|土の重さ・防水・排水と、風に負けない植栽の選び方

屋上庭園のつくり方|土の重さ・防水・排水と、風に負けない植栽の選び方

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  • 屋上に載せられる重さは建物ごとに違い、法令の床の計算の1㎡あたり約183kgは上限ではありません。
  • 湯を張った HALO は約560kgで、底の面に1㎡あたり約420kgがかかり、重さは置いた面に集まります。
  • 防水はトップコートを5年前後で塗り直すのが目安で、庭をつくる前に防水の状態を確かめます。

屋上庭園(屋上ガーデン)は、建物の屋上に植物と過ごす場所を設けた庭で、つくれるかどうかは、土と水を足した重さ、防水、排水、風の四つで決まります。一戸建ての屋上なら、全面に土を敷き込むより、大きなプランターとデッキで緑を置き、建物に打ち付けずに据える作り方が、防水を守りながら手入れを長く続けやすい形です。

商業ビルの公開された庭と住まいの屋上の庭では、載せられる重さも手入れの人手もまるで違います。ここで扱うのは、邸宅や別荘、自社ビルの屋上に、自分たちのための庭をつくる場合です。

FOUR CHECKS

先に確かめる四つ:重さ・防水・排水・風

重さ
見る所:土・水・鉢・人・家具を足した重さと、それが載る面
気を付けること:湿った土は重い。鉢や浴槽の重さは、その底の面に集まる
防水
見る所:防水の種類と年数、表面の傷み
気を付けること:床に穴を開けない。植物の根と、鉢の脚の当たり方
排水
見る所:排水口の位置と数、点検口
気を付けること:土や落ち葉が流れて、排水口を詰まらせない
風と日差し
見る所:周りの建物の高さ、手すり、日の当たり方
気を付けること:背の高い木と軽い家具は、固定か重い鉢で据える

屋上庭園とは:屋上緑化との違い

屋上緑化は、建物の屋上を植物で覆うこと全般を指し、夏の照り返しを和らげる目的や、都市の環境への配慮の文脈でも使われる言葉です。屋上庭園は、その中でも人が上がって過ごすための庭を指します。眺めのよい椅子があり、通る道があり、緑が囲む。目的が「覆う」から「過ごす」に移るぶん、手すりや床、日差しをよける屋根まで考えることになります。

作り方は二つに分かれます。ひとつは、防水層の上に根を通さない層と水を抜く層を重ね、土を敷き込んで植える方法。重さと防水の設計が建物と一体になるため、新築や大きな改修のときに、建物の設計者と一緒に計画するのが一般的です。もうひとつは、プランターや鉢、デッキを置いて緑をつくる方法で、既にある屋上でも計画しやすく、植え替えや防水の点検の自由も残ります。

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先に確かめる四つ:重さ・防水・排水・風

重さから見ていきます。屋上に載せられる重さは建物ごとに決まっていて、上限を知っているのはその建物の構造の設計者です。法令が屋上やバルコニーに見込む重さ(床の計算で1㎡あたり約183kg)は設計のための計算の値で、その建物に載せられる上限を示すものではありません。

土は、思うより重いものです。雨を含めばさらに重くなり、重さは土の厚さに比例して増えます。軽く作った人工の土を使えば、同じ厚さでも重さを抑えられます。もうひとつ見落としやすいのが、重さのかかり方です。大きな鉢や浴槽の重さは屋上全体に均されるのではなく、その底の面に集まります。たとえば湯を張った浴槽 HALO は約560kgで、底の面積約1.33㎡で受けるため、その面には1㎡あたり約420kgがかかります。置く物の重さと底の寸法を一枚の図にして設計者に渡すと、置ける位置が具体的に返ってきます。

防水と排水:穴を開けず、水の道を残す

屋上の床は、防水層で雨水を止めています。アンカーやビスで物を留めると、防水層を貫いて雨水の入り口になるため、屋上では床に穴を開けず、置いて据えるのが基本です。

防水は、表面のトップコートを5年前後ごとに塗り直すのが目安で、防水そのもののやり直しは種類ごとに10〜25年ほど。上に庭をつくった後のやり直しは、植物も床もすべて外す大きな工事になります。着工の前に防水の状態を確かめ、年数が来ているなら先にやり直しておくのが順番です。

排水の相手は、土と落ち葉です。鉢の底から流れた細かな土や枯れ葉は、排水口に集まって水の流れを止めます。排水口のまわりには点検口を設け、掃除と点検ができる形にしておきます。プランターの底穴の有無と、抜けた水の行き先も、置く前に決めておく所です。

風と日差し:屋上に向く植物と置き方

屋上は地上より風を受けやすく、台風の前には飛びそうな物を固定するか片づけることが求められます。植物も同じで、背の高い木は風で鉢ごと倒れやすいため、重い鉢に植えるか、デッキやフェンスと一体にして据えます。

向くのは、乾きと風に強く、根を深く張りすぎない植物です。夏の屋上は照り返しで地上より乾くので、ドライガーデンに使われる植物や、葉の厚い低木が扱いやすくなります。水やりの手間は、屋上に水栓があるかどうかで大きく変わります。水栓が無ければ、計画の初めに引けるかを確かめます。

日差しは、緑だけでは和らぎません。過ごす時間を夏の昼まで延ばしたいなら、パーゴラやシェードで日陰を一か所つくり、植物はその外側に置くと、人にも緑にも無理がありません。

南青山の屋上では、風の通り道に背の高い木を置かず、壁の緑と低いプランターで囲みました。見上げる緑より、座った目の高さにある緑のほうが、屋上では長く楽しめると感じています

小さな屋上に、緑を足す素材

広さの限られた屋上では、床と壁で緑の量を増やします。床には人工芝やタイル、壁や手すりの内側には壁面緑化。水やりの要らない素材を混ぜると、重さと手入れを抑えながら庭の印象をつくれます。

人工芝は、庭用の GARDEN 01・02 が芝の長さ25〜40mm。屋上では、下地と排水、固定の方法を置く場所に合わせて確かめます。壁面緑化は人工の植物で、3つのセレクション全42種から組み合わせられ、価格は ¥8,300〜/㎡(税抜)。床をタイルで整えるなら、厚さ20mmの大判タイル(¥8,800〜/㎡・税抜・100㎡から)が、室内の床と色をそろえる選び方になります。

法人の屋上で、緑が価値になる

ビルやホテル、賃貸の建物では、屋上の緑は眺めのためだけにあるのではありません。防水を守るだけだった屋上に過ごせる場所をつくれば、貸し出しやイベント、屋外の会議の場、入居者やテナントの共用ラウンジとして、建物に新しい収入と選ばれる理由が生まれます。宿泊に使う場合は、住宅宿泊事業法・旅館業法などの条件を計画の段階で確かめます。

ANKER & ZIMMER の屋上庭園

ANKER & ZIMMER の屋上は、床のデッキとフェンス、パーゴラを一体で組み、建物に打ち付けずに据えるつくり方です。部材どうしが支え合うので、防水層に穴を開けずに、屋根のある居場所と緑を一緒に計画できます。木の構造 HOLZNETZ の Cube は、打ち付け工事が要らないため屋上にも置ける型です。

緑は、ドライガーデンやリゾートに向く植栽と大型のプランターから、置く場所に合わせて大きさと置き方を提案します。GFRC のプランター BETTI FACETTA は直径800×高さ485mmで ¥176,000〜(税抜)、底穴の有無を指定できます。進め方は、現地で防水と排水、手すり、搬入の経路を見て、重さを確かめ、一体で設計し、運んで組む順。クレーンでの搬入にも対応しています。

ビルに囲まれた屋上に、緑とパーゴラとサウナを置いています。土の庭でなくても、緑に囲まれて座れば、そこは庭になる。それを確かめに来ていただく場所です

FAQ

よくあるご質問

屋上庭園のデメリットは何ですか?

重さの制限、防水の管理、手入れの三つです。載せられる重さは建物ごとに決まり、防水はトップコートを5年前後ごとに塗り直します。水やりと排水口の掃除、台風の前の片づけが、地上の庭より少し増えます。

一戸建てに屋上庭園はつくれますか?

人が上がれる平らな屋上(陸屋根)なら計画できます。周りに高さ1.1m以上の手すりがあるか、重さの条件はどうかを、構造の設計者と確かめてからです。

屋上庭園の土の重さはどのくらいですか?

湿った土は、厚さに比例して重くなります。法令が床の計算に見込む約183kgは設計の値で、上限ではありません。土の厚さと面積を設計者に伝えて確かめます。

屋上庭園をつくると雨漏りしませんか?

床に穴を開けず、置いて据えれば防水層は傷めません。着工の前に防水の状態を見て、年数が来ていれば先にやり直します。排水口には点検口を設けます。

屋上庭園に向く植物は何ですか?

乾きと風に強く、根を深く張りすぎない植物です。ドライガーデンの植物や葉の厚い低木が扱いやすく、背の高い木は重い鉢か固定で据えます。

今の家の屋上に、後付けで庭をつくれますか?

つくれます。プランターとデッキを置いてつくる方法なら、既にある屋上でも計画できます。防水の年数と、重さの条件の確認が先です。

結び

屋上庭園は、緑の量より先に、重さと水の行き先を決めると形になります。土を敷くか置くかを選び、防水と排水を整えてから植物を選ぶ。その順で進めれば、屋上は手入れの続く庭になります。

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