庭にパーゴラを置く目的
第一の目的は、何もない庭に「座る場所」の輪郭をつくることです。芝やデッキの上に柱が4本立ち、頭上に梁が渡ると、そこに椅子とテーブルを置く理由が生まれます。家の中で、天井の低い一角に人が落ち着くのと同じ働きです。
二つめは日陰です。格子だけの棚が落とす影は浅く、植物が葉を広げるか、布やルーバーを重ねて濃くしていきます。三つめは視線で、隣家の二階や上階の窓から見下ろされる庭では、頭上の梁と屋根が上からの視線を和らげます。横はフェンスで、上はパーゴラで受け持つ考え方です。
植物を仕立てる楽しみも、パーゴラの本来の目的です。藤やつるバラが梁を覆うまでの数年をかけて、棚は庭の景色の中心になっていきます。門からアプローチに掛けたパーゴラは、くぐること自体が、家に入る前の小さな前奏になります。
パーゴラを置いた家に伺うと、庭のどこに椅子を出すかで迷わなくなった、と言われます。柱と梁が一組あるだけで、庭に『いつもの場所』ができる。私たちがパーゴラを、まず居場所の道具として考えるのはそのためです
パーゴラのメリットとデメリット
メリットは、光と風を残したまま、日陰と居場所をつくれることです。壁で囲うほど閉じず、何もない芝生よりは落ち着く。高さのある構えが加わると平らな庭が立体的に見え、植栽や照明を掛ける骨組みにもなります。
デメリットは、屋根のないパーゴラは雨を防げないことです。日除けとしても、植物が育つまでや落葉の季節は効きが弱くなります。木の棚は仕上げに合わせた塗り直しが要り、植物を絡めれば剪定や落ち葉、花がらの掃除も加わります。家の軒先に置く場合は、梁や葉の影で室内が暗くなることがあるため、窓との距離と方角を先に見ておきます。
パーゴラの素材:木・アルミ・樹脂・鉄
木は、パーゴラのもっとも古い素材です。木目と手ざわりがあり、植物とよくなじみます。屋外の木には、硬く重く耐久性の高いハードウッドと、加工しやすく防腐の処理と塗装を前提にするソフトウッドがあり、外に置く年月が長いほど差が出ます。どちらも色は少しずつ落ち着き、細い割れや軽い反りが出ることがありますが、これは素材の性質です。
アルミは、錆びにくく軽く、塗り直しのいらない素材です。細い線ですっきりと立ち、色をそろえやすいので、サッシや外壁の色と合わせた構えに向きます。電動で動くルーバー屋根を載せられるのも、アルミの構造ならではです。
樹脂(人工木)は、木の見た目を持ちながら腐らない素材で、手入れの手間を減らせます。日差しで表面が熱くなることと、熱による伸び縮みは、選ぶ前に確かめておきます。鉄(アイアン)は細い線と曲線を描け、つるバラの棚にもよく使われますが、塗装の傷から錆が出るため、点検と補修が欠かせません。
素材の性格は一般的な傾向で、仕上げと置く場所で変わります。外構の格を決めるのは、素材そのものより、柱の太さと色が家の線とそろっているかです。外壁やサッシに合わせて色を選び、柱の寸法は庭の広さと家の高さから決めます。
木かアルミかで迷う方には、雨の日にそこで何をしたいかを伺います。晴れた日に植物と過ごす庭なら木の棚を、雨の夜にも外で食事をしたいならアルミのルーバー屋根を。素材は、過ごし方のあとで決まります
置き場所と、相性のよい植物
置き場所は、使い方から決めます。テラスやデッキの上に掛ければ、床と頭上がそろって外の居間になります。庭の奥に置けば視線の行き止まりになり、門からアプローチに掛ければ通り道になります。屋上に置くときは、建物の防水層に穴を開けないことと、地上より強い風への備えが先です。
植物を絡めるなら、藤、つるバラ、クレマチス、ブドウ、常緑のつる植物などが一般的です。夏に葉を茂らせ冬に落とす落葉のつる植物は、夏は日陰を、冬は日だまりを庭に残します。常緑のものは一年を通して目隠しになる一方、冬の日差しも遮ります。電動で開け閉めする屋根を持つパーゴラには、つるを絡めず、柱の足もとに鉢や植栽を添える方が、屋根の動きを妨げません。
屋根を載せる前に:法令と費用の分かれ目
建築基準法は、土地に定着し、屋根と柱か壁を持つものを建築物としています。藤棚のように屋根の役目を持たないパーゴラは、建築面積に入れないとする自治体もあります。閉じられる屋根を載せたものは建築物として扱われることがあり、建築確認や建ぺい率に関わってきます。どちらにあたるかを決めるのは自治体(特定行政庁)で、置く前に窓口か設計者に確かめます。
費用は、素材と屋根の有無で大きく分かれます。電動の屋根を載せる場合は、本体のほかに電源工事と基礎が加わります。
ANKER & ZIMMER の三つのパーゴラ
HOLZNETZ(ホルツネッツ)は、木の柱と梁を仕口金具でつなぐ木構造システムです。屋外のために強く耐久性のあるハードウッドを使い、テラスや二層のデッキ、囲った部屋のある型まで、7つの型から大きさ・高さ・つなげ方を敷地に合わせて設計します。打ち付け工事のいらない型は、屋上にも置けます。価格はお問い合わせください。
パーゴラルームは、アルミ(6063-T6)の柱と梁に、羽根の角度を電動で変えるルーバー屋根を載せたパーゴラです。Light・Standard・Premium・Grande の4モデルがあり、3×4mの目安で ¥2,145,000〜¥3,300,000(税抜。Grande はお問い合わせ)。幅と出幅は数センチ単位でオーダーでき、高さは標準2.7mで、それ以上もオーダーできます。色はホワイト・クリームホワイト・ブラック・ブラックグレー・ネイビーの5色(Premium は基本2色、Grande は2色)。受注生産で、納期は3か月前後です。
アウトドアパビリオンは、屋根と柱に囲いを組み合わせ、外にもうひとつの部屋をつくる屋外の建物です。ラウンジ、バー、プールサイドのタオル置き場まで4つの型を土台に、フルオーダーでおつくりします。