手間と毎日の使い方
薪ストーブの一日は、薪を運ぶところから始まります。細い薪で火を起こし、太い薪へ移し、石が温まるまで火を見ます。入っている間も薪を足し、使い終わったら灰を冷まして捨てます。乾いた薪を置く場所が、サウナの隣に要ります。
電気ストーブは、温度を設定して待つだけです。どちらのストーブでも、使用後の換気と乾燥、定期的な点検が木を長持ちさせます。サウナ室の換気は1時間に6回ほどが目安で、天井の高さは1900mm以上にします。
電源と工事
電気ストーブは、単相200Vの電源が要ります。分電盤から屋外まで専用の回路を引く電気工事で、配線の距離と分電盤の空きで内容が変わるため、置く場所をうかがってから見積ります。別荘のように200Vを引きにくい土地では、この工事の重さが薪を選ぶ理由になります。
薪ストーブは電源が要らず、代わりに煙突の施工が要ります。一般サウナ設備で薪を使う場合、煙突の位置には基準があり、屋根面から60cm以上、可燃材料から15cm以上離すなどが求められます。煙突の出口の高さと向きは、隣家の窓と風向きを見て決めます。薪の場合は不燃材料のたき殻受けと、近くに置く消火器も求められます(簡易サウナ設備の基準。一般の基準は自治体の火災予防条例で確かめます)。
法律の区分
2026年3月31日から、サウナストーブは「簡易サウナ設備」と「一般サウナ設備」に分かれました。簡易サウナ設備は、屋外に置く・テント型か木製円筒のバレル型・定格出力6kW以下・熱源が薪か電気の四つをすべて満たすストーブです。小屋型・箱型は一般サウナ設備で、私たちのサウナも一般サウナ設備にあたります。簡易サウナ設備にはサウナ室の大きさの上限があり、私たちの標準の型はその大きさを超えるため、一般サウナ設備として扱われます。条件を満たす小さな型を作ることもできます。届出や基準は所轄の消防署で確かめてください。
一般サウナ設備は「個人の住居に設けるもの」を除いて設置の届出が要ります。個人のものでも事業として使う場合や利用料を取る場合は届出を求める自治体があり、客室や施設に置く法人の方はこの手続きが前提です。最終の判断は所轄の消防署が行います。ご発注が確定した段階で、正式な図面とストーブの仕様書をお出しします。
ロウリュのこと
ロウリュは、ストーブの上のサウナストーンに水をかけ、蒸気を起こす入り方です。室の温度は変わらないまま湿度が上がり、体感の熱が一気に強くなります。石が多く、よく温まっているほど蒸気は細かく、石が少ないと水が跳ねて荒くなります。
薪ストーブは石を多く積む構造の物が多く、ロウリュを前提にした機種が主流です。電気ストーブは機種によって扱いが分かれ、石に水をかけられる物と、発熱体を守るために水を禁じている物があります。家庭用のサウナでロウリュをしたいなら、ストーブを選ぶ段階で「水をかけられる機種か」を確かめます。相談で多いのは『電気でもロウリュはできますか』です。できる機種を選べば、電気でも蒸気は十分に出ます。違いは蒸気の量よりも、火を見ながら待つ時間が要るかどうかだとお答えしています。
蒸気で湿度が上がる室の木材は、私たちの場合、レッドシダー・スプルース・ヘムロック・サーモウッドの4種から選びます。湿気に強いレッドシダーと、湿気による変形がほぼないサーモウッドは、ロウリュを多くする使い方に向きます。ヘムロックは香りが控えめで、アロマを水に落として蒸気で広げる楽しみ方と合います。スプルースは北欧サウナの伝統的な雰囲気の木です。
ANKER での選び方
ストーブは、三つの順で決めます。初めに、室の大きさです。私たちの屋外サウナは1〜8人の大きさから選び、ストーブの出力は室の大きさに合わせて選びます(電気は2〜3人用に 6kW、3〜4人用に 9kW)。公開されている情報から見た目安では、室の容積1㎥あたり1kW前後が一つの物差しとされますが、天井の高さ、窓、木材の断熱で変わるため、型と出力は相談の際にご案内します。
次に、薪か電気かです。置く場所の電源と煙の条件、入る頻度、ロウリュをどこまでするかで決まります。最後に、木材との組み合わせです。4種の木材は香りと湿気への強さが違い、ロウリュの使い方に合わせて選びます。
費用は、本体 ¥1,950,000〜(税抜)に組立てを足し、電気なら電気工事、薪なら煙突の施工が加わります。組立て・運搬・基礎は、置く場所をうかがってから見積ります。