置く場所:家の近くか、景色の側か
家の近くに置くと、室内の台所との行き来が短く、水や電気も建物から引きやすくなります。庭の奥や景色の側に置けば、煙が家に入りにくく、食卓からの眺めも整う一方で、配管と配線が長くなるぶん工事の金額が上がります。
置く場所を決めるときは、キッチンだけでなく、食卓と椅子、人の通り道を一緒に描きます。人がすれ違わずに通るなら60cm以上、すれ違うなら90cm以上が通路の目安です。カウンターの前に立つ人の背中を、別の人が通れるかも見ておきます。
風の向きも先に確かめます。グリルの煙が、自宅や隣家の窓、洗濯物の干し場へ流れない位置を選ぶと、焼く日の気苦労が減ります。
給排水・ガス・電気:先に確かめる三つ
屋外キッチンのシンクを使うときは、給水と排水の取り回しを確かめます。調理の排水には油や食べ残しが混じるため、雨水の側へ流さず、建物の排水につなぐのが一般的な考え方です。寒い土地や別荘では、冬の凍結に備えて水を抜ける配管にしておきます。
グリルは種類によって、ガスか電気の用意が要ります。照明や冷蔵庫、映像の画面を使うなら、屋外用の電源も置く場所まで。火を使う設備には、置く場所や大きさによって、消防法や地域の条例が関わることがあります。工事が要るかどうか、どこまで要るかは置く場所と設備で変わるため、現地を確かめてからお見積りします。
天板と扉の素材、手入れ
屋外のキッチンは、日差しと雨と熱を同時に受けます。ANKER のアウトドアキッチンとドリンクステーションは、木材・金属のフレーム・石目の天板を組み合わせてつくります。組み合わせの例を挙げると、白い天板にネイビーのキャビネット、チークの前板に黒いフレームとステンレスのシンク。素材の組み合わせで顔つきが変わります。
木は時間とともに色が変わり、細い割れが出ることがあります。これは素材の性質で、不具合ではありません。チークは雨に強く、時間とともに銀色に変わり、オイルを塗れば元の色を保てます。手入れで欠かせないのは、給排水とガス・電気の点検です。グリル・シンク・照明などの設備機器は、各メーカーの保証に従います。
屋根と床:雨の日と、焼く日のために
屋根があると、雨の日も夏の日中も料理ができます。LOGGIA Bar Kitchen は、ルーバー屋根の下にカウンターとキッチンを収めた型です。屋根の無いキッチンには、電動ルーバーのパーゴラルームを架ける組み方もあり、羽根の角度で日差しと雨を調え、焼く間は羽根を開いて煙の抜け道をつくれます。
床は、焼く日の汚れを前提に選びます。タイルは油の跳ねを洗い流しやすく、室内の床とそろえれば台所が外へ続いて見えます。人工芝は手入れが楽な一方、グリルの真下では火の粉や熱で傷むことがあり、焼く場所の足元には向きません。土や砂利、天然木のデッキは、こぼれた油が染みて落としにくいので、焼く場所とは分けて使います。
煙・におい・声:近所への配慮
庭で焼くときに気を付けたいのは、煙とにおい、話し声、終わる時間の三つです。煙は風下の家に届くため、位置と風向きに加えて、炭より煙の少ないガスや電気のグリルを選ぶ考え方もあります。フェンスや植栽は視線を切りますが、煙とにおいは越えていきます。夜遅くまで続けず、声の響く時間帯を避けることが、週末ごとに使い続けるための前提です。
納めたあとに伺うと、よく聞くのは『料理をする人が、輪の中に戻ってきた』という話です。焼き手が台所と庭を往復しなくなるだけで、週末の食卓の景色が変わります
ANKER & ZIMMER のアウトドアキッチン
道具は、サービスワゴン¥220,000〜、カッティングボード¥21,000〜、ラバーウッドトレイ¥13,200〜。飲み物を中心に据えるなら、屋外のカウンター、ドリンクステーションに6つのモデル(¥1,012,000〜¥2,640,000〜、COTTO はお問い合わせ)があります。
本体に送料と設置費は含まれず、給排水・ガスや電気の工事とあわせて別にお見積りします。受注生産品の納期は3か月前後で、工事を伴う場合は着工金として代金の30〜50%をお支払いいただきます。
家の近くか、景色の側か。迷われたら、焼いている人の目に何が入るかで決めるとよい、とお話ししています。食べる人の顔と庭の緑が同時に見える位置が、たいていいちばん長く使われます