玄関アプローチの素材を比べる:石張り・タイル・洗い出し
邸宅のアプローチは、素材を一つに絞るより、役割で分けると落ち着きます。床は面のそろう大判タイルか方形の石に、両脇の壁や門柱には乱形石を。床と壁で色の系統をそろえ、質感だけを変えると、通路が奥へ長く見えます。
形と幅:まっすぐ通すか、曲げるか
アプローチの形は、直線と曲線に大きく分かれます。直線は扉までの距離が短く、建物の正面性が強く出ます。曲線や折れのある形は、門から扉が直接見えず、歩くあいだに景色が変わります。扉が道路から見えにくくなるので、視線を切る役目も持ちます。
幅は、人がすれ違えるかどうかで決まります。一般に言われる目安は、1人で通るなら90cm前後、2人が並んで歩くなら120cm以上。車椅子やベビーカーを考えるなら、段差を設けずに幅を取ります。正面のアプローチを目安より広く取ると、門をくぐった後に余白が生まれ、来客を迎える場所として使えます。
門から扉までの距離が短い敷地では、通路に一度だけ折れを入れると、歩く距離と景色の切り替わりが生まれます。折れの先に植栽や一枚の壁を置けば、扉が見えるまでの数歩が、家に入る前の間合いになります。床の目地の向きを歩く方向にそろえると、狭い通路でも奥へ導かれる感覚が出ます。
階段とスロープの寸法
敷地が道路より高い家では、アプローチに階段が入ります。屋外の階段は、室内より段を低く、踏む面を広く取るのが一般的で、よく言われる目安は1段の高さ(蹴上げ)15cm前後、踏む面の奥行き(踏面)30cm以上です。段が多くなるときは途中に踊り場を設けると、上りの負担が和らぎ、景色にも区切りが生まれます。
段の先端(段鼻)は、夜に見えにくい所です。床と色や質感を少し変える、足もとに灯りを置く、手すりを付ける。この三つで安全性は大きく変わります。段差を設けたくない場合はスロープにしますが、勾配を緩くするほど長さが要るため、敷地の奥行きと一緒に考えます。
夜の灯りと、門まわりの壁
アプローチは、帰宅や来客の時間を考えると、夜に使われることの多い通路です。灯りは、足もとを照らす低い灯り、壁や植栽を照らす灯り、扉の前の灯りの三つに分けて考えます。足もとの灯りは段と曲がり角に、壁の灯りは石張りの面に沿わせると、凹凸の陰影が浮かびます。明るさを均一にせず、扉に近づくほど少しずつ明るくすると、迎え入れる流れができます。
門まわりの壁は、アプローチの背景です。高さを出したいとき、ブロック塀は重く、高くできる高さに限りがあります。軽い芯材の塀や、木の柱と梁で組む目隠しなら、高さを取りながら光と風を残せます。
アプローチを見るとき、最初に確かめるのは床ではなく、門を入って三歩目の景色です。そこで扉が正面に見えるか、壁と植栽が先に目に入るかで、家の印象は変わります。素材は、その景色が決まってから選んでいます
ANKER & ZIMMER のアプローチの材料
ANKER & ZIMMER は、床・壁・灯りの材料を自社で扱い、外構の設計と施工まで一つの窓口で受けています。
床に使う大判タイルは厚さ20mmで、大きさは600×600mmと1200×600mm、色はA〜Fの6色です。屋内と屋外の床・壁・テラス・エントランスに使え、価格は¥8,800〜/㎡(税抜)、ご注文は100㎡から。屋外用の磁器タイル「タンブル コレクション」は、縁を欠いたように丸く仕上げて石を敷いたような表情を出し、8色・4サイズ・3つの敷き方から選べます。
乱形石は63種。一枚ずつ形を合わせて張る48種と、網に貼ったシートで張る15種があり、庭の壁・エントランス・中庭に使います。価格はお問い合わせください。屋外の照明は、チークのキューブ、チークとメタルのランタン、布のシェードのフロアライトの4つで、¥42,000〜(税抜)。木の柱と梁で組む HOLZNETZ には、柱のない張り出しの型があり、玄関ポーチや目隠しに使えます。タイルと石は、施工の方法によって別に工事費がかかり、下地・排水・固定の方法を使う場所に合わせて確かめます。色・大きさ・質感は実物の見本でも確かめられ、本社のショールームで展示している物もご覧いただけます。プロダクトは全国へお届けし、商品のみのご購入にも、施工までの一括にも応じます(施工は地域によって難しい場合があります)。
床は大判タイルで静かにそろえ、門柱と脇の壁にだけ乱形石を張る。石の陰影を足もとの灯りで浮かせる組み方は、建物の様式を選ばずに馴染みます