別荘に合う形:来たときに張り、帰るときに抜く
置き型の屋外浴槽は、使うたびに湯を張り、使ったら流します。溜めておく水がないので、留守の間に管理する物がありません。要るのは給湯と排水の配管だけで、電源は使いません。帰るときに水を抜いておけば、冬の凍結にも備えられます。凍結のおそれがある土地では、給湯の配管も冬に水を抜く前提で引きます。
セカンドハウスの風呂として考えるなら、設備が少ないことは、そのまま手間の少なさになります。遠方の別荘でも、図面と写真のやりとりから計画を始め、現地を確かめたうえで運搬と設置の見積もりをお出しします。
別荘に置いた方から、着いた日の夜に湯を張るのが到着の合図になった、と聞きました。使う前の準備が、湯を張る三十分だけになったからだと思います。
グランピングと貸別荘:客が入れ替わる場所
グランピングや貸別荘、一棟貸しのヴィラの屋外風呂は、別荘と逆の条件です。使う頻度は高く、入る人は毎回違います。問われるのは、清掃の時間と、水質の責任です。
ジェット付きは、前の客が使った水を次の客も使う設計です。薬剤で水質を保ち、濃度を測って記録する仕事が、客室ごとに毎日続きます。グランピングの客室はテントやトレーラーハウスが多く、電源の余裕が少ない施設では、循環ろ過の機械を客室ごとに持つことが負担になります。電源の話は公開されている情報から見た目安で、施設ごとの実測ではありません。
置き型の浴槽は、客が帰ったら流し、洗って、次の客のために張ります。推奨は水道水で、手入れは温水と中性洗剤で拭いて流す手順です。清掃の担当が客室の清掃と一緒に済ませられ、薬剤の濃度を測る工程は増えません。
もうひとつ、予約の画面で見られるのが写真です。コンクリートの質感の浴槽は、テントやデッキの景色の側に寄って写ります。ジェット付きは、機械の形と操作部が写ります。どちらが選ばれるかは施設の方向で決まることで、数字では約束できません。言えるのは、「露天風呂付き」で探す人と「ジャグジー付き」で探す人は、別の層だということです。
運営者の方が決め手にしたのは、清掃の人が一人で回せるかどうかでした。張って流すだけなら、研修なしで今日から回せる、という判断です。
置く場所の見方:デッキ・庭・テラス
別荘もグランピングも、浴槽が置かれる場所はデッキ・庭・客室テラスのどれかに落ち着きます。見る所は三つです。
床の強さ。湯を張った浴槽は、型によって約474〜826kgになり、入る人の体重が乗ります。置く面は平らであることと、置く面が、湯を張った浴槽と入る人の重さを支えられることが目安です。いちばん重い CIRQ は満水で約826kg、人が入ると浴槽の面に約1t がかかります。屋上やバルコニーの床が法令で見込む重さは1㎡あたり約183kg(設計のための値)なので、置く面の実際の強さを設計者か管理会社に確かめてください。木のデッキに置くなら、床下の補強と、設計者への構造の確認を先にします。
排水の先。一回に数百リットルを流すので、排水設備につなぐ配管が要ります。浴槽にトラップは付いていないので、建物側の配管に設けます。排水は、本体の下から横へ伸ばす側面出しと、床にピットを設けて下へ落とす底面出しの二つで、デッキなら側面出しが向きます。
給湯。客室ごとに浴槽を置く施設では、建物の計画と同じ時に給湯の経路を決めておくと、無理のない配管になります。
重さと排水の数字、工事の費用の内訳は、別の記事「屋外風呂・屋外ジャグジーの費用と設置条件」にまとめてあります。この記事では、見る所の名前だけに留めます。
形と人数の選び方
既製の屋外バスタブは四つの型です。円形の HALO と角形の CIRQ は2〜3人、楕円の OREN は1〜2人、一人用の SOLO は1人で使う大きさです。本体は ¥420,000〜¥902,000(税抜)、色は八色、納期は3か月前後。SOLO は予約受付中で、お届けは2027年4月からです。
別荘では、家族で入るか夫婦で入るかで、HALO か OREN に分かれることが多いように思います。グランピングの客室は、二人客が中心なら OREN か HALO、小さなテラスには一人用の SOLO を置く選び方もあります。寸法と人数、素材の違いは「大型・高級の屋外浴槽を選ぶ」の記事に書きました。
棟数が多いときは、オリジナル製作
グランピングや貸別荘で棟数がそろうなら、客室の寸法と景色に合わせて、大きさ・形・色をオリジナルで製作しています。10台以上から承り、フルオーダーの納期は5か月前後です。テントの前のデッキに合わせて楕円を細く引く、外壁に寄せた色を作る。既製の四つで足りないときの道です。